プロディジー、最新アルバムが全英アルバム・チャート初登場1位
「BARKS」「CDJournal」
これは凄まじく嬉しいニュース。Prodigyはずーっと聴き続けているアーティストだけれど、やはり「The Fat Of The Land」以降の失速ぶりには残念すぎるものがあったし、もはやリアムの才能は枯渇したんじゃないかと思っていた。終わった、失礼だけれどそういう捉えかたもある。
1stの頃の(良い意味で)軽薄なメロディやリズムが好きで、重めのブレイクビーツを主体にした音になっていくと同時に、なにか少し退屈な雰囲気を感じていた。ダークさに傾きすぎているような気がしていたし、リロイが脱退したこともなにかのズレを感じてしまう一因だったかもしれない。
Prodigy - Fire [Sunrise version]
「Fire」のとんでもないパワー。圧倒的にただ踊ることだけを強要するかのような音圧。今のプロディジーからしたら、あまりにもシンプルな曲構成なのかもしれない。けれどこの曲には、ただ単純に良いと思わされてしまうものがあると僕は信じている。
一時期の彼らのライブでは(2002年頃かな)、もはや昔の曲はほとんどやらなかった。3rd中心に、新曲と2ndをぱらぱらと。それが、いまや「Out of Space」をアンコールでやるらしい。
Prodigy - Out of Space
ヤバいくらいにお気楽なこの空気感。1分30秒過ぎのリロイのダンスには身悶えを超えて鳥肌がたつくらいかっくいい。リアムが昔のインタビューで過去は振り返らないとか、そんな受け答えをしていた覚えがあるけれど、彼らはやっぱり戻ってきた。
なにをこんなに回りくどく書いてきたか。それは、結局は最新アルバムからのシングル「Omen」を聴いて思ったことの逆算なのです。彼らは巨大になりすぎた自分達自身に飲み込まれていたように思う。それは売れまくったアーティストによくありがちな経緯だし、そりゃ1000万枚もアルバムを売ってしまえば、それ以上の結果はもはや見果てぬゴールのような気がする。
それでも彼らはずっとライブを続け、製作を続け、ある程度のセールスを確保していたのだから、決して終わったり死んだりしたわけではない。けれども個人的には、いつの日か彼らが1stや2ndの頃の爆発的な勢いを取り戻してくれるのではないかとひそかに恋焦がれる少女のような気持ちで待っていたわけです。
Prodigy - Omen
Now!
そう叫び散らす彼ら三人のかっこよさといったらない。その確信に満ちた今現在の彼らの存在に鳥肌を禁じえない。帰ってきたのだ。帰還。まさにそう言えるんじゃないだろうか。「Omen」のイントロを聴いたその瞬間、ビートが打ち鳴らされるその瞬間、彼らの新曲を聴くことに若干の不安を覚えてきたことがバカらしく思えた。昨年のサマソニはさらっとスルーしてしまったけれど(今更プロディジーじゃねーだろなんて思ってた)、次は絶対行きます。アルバムも感動的にかっこいいです。では。
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今日の一曲:Omen / The Prodigy