『クリスマス・オン・マーズ』

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ついに、というか待望というか。いや、同じか。The Flaming Lipsという最高のバンドの成り立ちを追ったドキュメントDVD「The Fearless Freaks」の中でもとりあげられている、ウェインがひたすら日課として作っている変な映画が発売されるそうです。最近友人の結婚式で「Do You Realize??」をかけたときも思ったけど、彼らのもたらす幸福感はやはり凄い。ウェインの人を楽しませようというたゆまぬ努力。それに尽きるんだろうなー。

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フィアレス・フリークス:ザ・フレーミング・リップス ストーリー [DVD]

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細かい話ははぶくけれど、以前サマソニに彼らが来日をした時に(3年くらい前だったような気がする)、The Flaming LipsのShowにダンサーとして出たことがあって(経緯は偶然で、そこら辺はまたいろいろなんだけど)、そのスペシャルな体験は何にも変えがたい思い出になっている。彼らのライブはいつでもやたらと仕掛けがいっぱいで、客を喜ばせたり、驚かせるギミックがステージのそこかしこに配置されている。スタッフがみんなスーパーヒーローのコスプレをしてたりってのもおかしいんだけど、なによりその仕掛け達がどう見たって手作りっぽすぎて、きっとこれもウェインが一生懸命考えて作ってるんだろうなーとか思ったらほほえましすぎて、なんだか泣けたんです。だって、ぼろぼろの機材をガムテープで補強してんだもん。


The Flaming Lips - Christmas On Mars Trailer


Do You Realize?? (Full Version Video)


一見下らなくて、どうしようもないような事ばっかりやってる変な人。でも、こんなに聴き手に対して真摯なバンドはなかなかないと思う。そのShowでは二つの個人的なスペシャルがあって、ひとつはライブ前。その日はくるりKeaneThe Flaming Lipsという流れ。そしてくるり後、突然Keaneがキャンセルしましたというアナウンス。当然お客さんはブーイングだし、どこか別のステージに行ってしまったのだけれど、熱狂的なリップスファンが少なからずステージに残っていた。彼らは自分達で機材のセッティングをするから、お客さんも熱心に見ていた。で、ある程度終わってから、これであとは始まるのを待つだけというときに、突然ステージに出てきて、Keaneの曲と、Queenの曲を演奏したんです。多分、彼らなりの残ってくれているファンへのメッセージだったんだろうと思う。よく考えたら彼らがKeaneの曲を事前に練習していたとは思えないから、急遽CDかなんかを手に入れて練習したのかな。びっくりどころかその姿を想像したらなんだか泣けますよね。


もうひとつはもっと個人的なこと。Showではやたらとデカい風船のロボットみたいなものに入って踊ってほしいと言われ、汗だくになりながら最初の5曲を踊りました。1曲目にいきなり「Race For The Prize」が始まった瞬間は汗と涙でぐちょぐちょ。わけが分からなかったな。で、5曲を終えたらきぐるみを脱いでステージ脇に退散。スタッフの人に「お疲れさま」と言われてもらったミネラルウォーターがとても特別に思えた。ただの水だったんだけど(笑)で、その選曲や彼らの動き、お客さんのうねりや盛り上がりを大いに感じてライブは終了(はしょりすぎ?)。終わった瞬間はとんでもないものに参加してしまったというある種の戸惑いと、異様なまで満たされた心で変な感じだったかもしれない。そうこうしている内になんとなく帰る雰囲気に。で、帰ろうとした直前、ウェインが僕らダンサーの前に現われてみんなと握手とハグをし始めた。もうびっくりで声も出ない。素敵な笑顔に男なのにドキドキしたりして、ハグを交わしたらウェインの身体は汗でびっしょびしょだった。1本のライブに全力を尽くす。その姿をまざまざと見せ付けられて、更に感動。嬉しかった。そんな思い出話でした。