Pinbackのライブ

さて、Pinbackの話。当日は仕事終わらず、リキッド到着は7時30分。急いで中に入るが既にPinback中...。この時点でヤバさを感じつつ、人ごみを掻き分けてフロア後方へ向かう。全てを見渡せる位置について、やっと彼らを視界にとらえる。ザックとロブがいる。あぁ、このために来たのだ。人で埋め尽くされた会場の熱気と、彼らの演奏のテンションの高さ、コーラスの絡み合い、ギター、ベースのウネリ。全てが待ち望んでいたPinbackそのもので、この一瞬が今日のハイライトであることがすぐに判断できた。頭が自然に動き出す。この音を体で感じたい。もっと、もっと、そう思った。ずっと聴いていたい、そう思った。でも、やっとの思いで辿りついた僕らに対して、彼らは無常にも3曲で帰って行く。短い、ただ、遅い僕らにも非があった。だが、短い。たったの3曲という飢餓感、とはいえ至極の3曲の満足感、一緒に行った弟と「でも、凄い3曲だったね」と言い合うことでしか、その空虚ななにかを埋め合わせられないような気がした。でも、本当に素晴らしかったのだ。それだけが事実。7時52分。


終わり、たばこを吸い、フロアへ戻り、Album Leaf。観衆のほとんどが彼らを目当てに来ているようで、歓声からなにから全てがPinbackに対してのものよりも大きかった。始まる。静かに。唐突にメールが入る。確認したい衝動を抑えきれず、見たそのメールに僕は打ちのめされる。仕事のメール。限りなくブルーなメール。新手のいじめなのかと錯覚しつつ、とりあえずはAlbum Leaf。だが、無理だった。僕のテンションは限りなく低かったけれど、それよりも彼らの演奏は退屈だった。リズムは一定で、抑揚を感じさせず、CDで聴くそれより良いとは到底思えなかった。嫌いではないはずだけれど、ただ、その演奏に向き合う気になれず、中盤に差し掛かる少し前に僕はロビーに出ることにした。ビールを注文するも、あまりうまく感じず、Pinbackのことばかりを考えるようにしてみるも、あまり効果はなかった。残念。フロアから漏れ聴こえる歓声はとても気持ちの良い雰囲気に思えたので、アンコールだけ戻ってみるも、大きな感動を得ることができずに会場を立ち去る。